International CESに行ってきました

1月6日から10日にかけて、海外研修の一環として、ラスベガスで行われた 2014 International CES(以下CES) の見学に行ってきました。
既に各ニュースサイトにて展示会の内容は報じられている通り、今年の大きな目玉は4Kをはじめとした高画質テレビと湾曲画面の有機ELテレビだそうですが、ここでは個人的に気になったちょっとニッチな製品や、研修旅行記的なものをまとめてみたいと思います。チョイスにかなり偏りがあるのはご容赦ください。
- リストデバイスをはじめとしたウェアラブルデバイス
個人的には今年から化けるのではないかと思っているウェアラブルデバイス。
昨年にはSamsungがGALAXY GEARを、SONYも3世代目となるSmart Watch 2をリリースしていますが、CESでは大小様々なメーカーが趣向を凝らした製品を展示していました。残念ながら日本国内では認知度がまだまだ低く、展示も日本メーカーからはSONYとCASIOのみで、それ以外はアメリカや中国、台湾のメーカーで占められていました。
製品の方向性として、スマートフォンと連動させて、スマートフォンへの着信通知などのイベントをウェアラブルデバイス側に通知するタイプ(通知型)、ウェアラブルデバイス側にセンサーを内蔵させて各種情報を記録し、スマートフォンに結果を送信するタイプ(蓄積型)、ウェアラブルデバイス単体でありとあらゆることをさせてしまうというタイプ(独立型)に分けることができるようです。製品のデザインも、従来はいかにもガジェット好きなイノベーターにしか受け入れられそうにない無骨なデザインばかりだったのが、一見するとファッショナブルウォッチ?と思えるような製品もあり、多様化が感じられます。
スマートフォンとの連携は、これまではAndroidでは通知領域の情報をほぼ全てデバイスに通知できるのに対し、iOSでは電話とメールの着信通知くらいしか通知ができず、例えばLINEのようなIMの通知をデバイスで受け取ることは不可能でしたが、iOS7になってからANCSという、ウェアラブルデバイスのためと言ってもいいAPIが実装されたことから、今後はAndroidと同様に通知センターの情報をすべてデバイスに通知できるようになるそうで、CASIOブースで展示されているスマートウォッチでは、実際のそのデモンストレーションを行っていました。
でも本命はやはりAppleが今年リリースするという噂のiWatch?でしょうか…。
- 自動車関連
ここ数年、ITと自動車関連の結びつきはかなり深まっており、例えばGoogleが自動運転のシステムを研究していたり、従来はRTOS系の専用OSや専用チップが主流だったカーエレクトロニクス分野でもAndroidやiOS、x86系やTegraといった、スマートフォン・タブレットでお馴染みのプラットフォームを採用した製品が増えているようで、CESでも大手自動車メーカーが新技術の展示やデモンストレーションを行っていました。
こちらはAudi A8のセンターコンソール。ダッシュボードに乗っているモニターは一見するとただのカーナビなんですが、中身はNVIDIAのTegra 2とGeForceを搭載したAndroid端末。車内から取り外してタブレット単体としても利用可能になるとのこと。ナビ画面はGoogle Earthそのものでした。
同じくAudiのブースで展示されていた、次期スポーツクーペの運転席のモックアップ。メーター部分が全面液晶モニターとなっており、モードに応じてスピードメーター、ナビゲーション画面、オーディオ画面、設定画面と表示内容を切り替えることができるようになっています。言わばグラスコックピットですね。
これはAudiのブースにあったコンセプトカー。この車の大きな特徴は、ハイビームが何とレーザー光になっていて、その照射距離は現在主流となっているLEDハイビームヘッドライトの2倍以上、1600フィート以上 (約500m) 先まで照らすことができるとか。電球そのものは非常に小さいため、仮にレーザー光を直視しても失明することはないそうです。
Pioneerのブースで展示されていた、Android搭載のルームミラー。ミラーそのものがタッチパネル内蔵のハーフミラーとなっていて、Android上でカーナビ等が利用できるようになっています。ミラーの反対側にはGPSやカメラも内蔵されており、ドライブレコーダーとしても利用可能だそうです。
実際に触ってみた感じでは、ミラーの中にふつーにスマホが内蔵されているような不思議な感覚でした。日本国内では今年の前半には発売予定で、価格は未定ながらもポータブルカーナビと同等レベルを想定しているとのこと。
- 余談:ろくに英会話ができない人間が海外の展示会に行くとどうなるか?
実は私、今回が初めての海外渡航でして、しかも英語力は義務教育レベルというお粗末さ。CESは当然のことながら展示の説明はすべて英語、カンファレンスの言語もすべて英語なわけで、義務教育レベルの英語力しかない人間が果たして海外の展示会に行って大丈夫なのか?という疑問はありました。
結論、意外と何とかなるものですね。専門用語がふんだんに含まれる内容であればおおよそ言いたいことは把握できましたし、疑問に思ったことは片言でも質問すれば丁寧に解説していただけました。尤も、会話中で特に使ったフレーズが "Pardon?" や "Could you repeat that?" だったあたり、スムーズに会話ができたかと言えば否なんですが。やはり英語力はきちんと身につけないと駄目ですね。今後の課題です。
以上です。